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2011/01/17

「物書き」のビジネスモデルの変化とチャンスについて、つらつらと考えてみた。


旧システムから新システムに移行しているこのタイミングで、どんな構造変化が起きているのかを「物書き」という立場から見たらどうなるか、考えてみました。なぜ「物書き」で考えるのかというと、個人でフリーの立場で仕事をするといったときに、多くの人が一番最初に思い浮かべるのが「ライターや小説家、文筆家」といった昔からあるお仕事だからです。
旧システムでの「物書き」の成り立ちは以下のような形式でした
・新聞社、雑誌社などに勤務(給料)→別時間で自費執筆
・本業での給料→別時間で自費執筆
→出版社の新人賞などで見いだされて、ライターとして仕事を見つけていく
・雑誌や新聞などの定期刊行メディアでの連載(原稿料)→書籍化(著作権によるライセンス料)
どちらにしても、個人が自分が書いた物を流通システムに載せるのに、高いハードルがあります。今でも同じです。取り次ぎを通して書店というチャネルを使って、自分が書いた物を流通させるためには未だに高いハードルが待ち構えています。

しかし、今では「自分で流通チャネルを持つ!」と考えた場合、以下のように複数の選択肢ができてきています。もちろん、中には自分で流通チャネルを持つとまでは行かないのですが、既存のプラットフォームを活用して、その上に自分の流通チャネルを持つということが可能になってきました。
A自分で定期刊行メッセージをwebメディアで発信


  1. メルマガ(無料)+広告掲載+アフィリエイト
  2. メルマガ(有料)+アフィリエイト
  3. blog+広告掲載+アフィリエイト=(RSS登録、TW、FBなどでのファンリスト化を補う必要あり。ただし、この場合顧客リストではない)

B自分で電子書籍発行


  1. アプリとして販売(有料)
  2. アプリとして販売(有料)+追加配信(有料)
  3. 電子書籍プラットフォームでの販売(有料)
  4. 電子書籍プラットフォームでの定期購読媒体の販売(有料)

※もちろん、フリーペーパーを自分で作って各種店舗に配布するなども可能ですが、個人が続けられるハードルと考えて含めていません。

で、結局ポイントは何かというと、顧客リストを持てるかどうかがキーです。従来は流通チャネルという販売期待量の高い場所を押さえていることが重要でした。だから、個人では太刀打ちできませんでした。

しかし、平均的な販売期待量よりも、自分のファンや自分の書いた物を読みたい人に対してピンポイントに配信できるリストを持てれば、販売期待量の高い場所をどっさり持っていなくても個人が太刀打ちできる可能性が出てきているのが今です。

そう考えると、メルマガやブログ、電子書籍のプラットフォーム、アプリのプラットフォームなどは、個人にとって非常に大きな可能性を持ったリストを獲得できる場となります。
厳密には、メールリストなどプラットフォームにある物を利用できるだけなのか、自分で所持できるのかの違いは無視できないほど大きいものですが、ここでの話ではまとめちゃってます。

さらに、自分であなたのファンである「顧客リスト」を持てれば、別に文章以外も売ることができます。あなたから買いたいと思ってもらう物であれば、販売可能となってきます。


典型的な個人事業主、フリーな職業であるライターや文筆家にも大きな変化がやってきている時代です。埋もれている人がちゃんと食べられる下地が出来てきているわけです。イメージしやすいように「物書き」を例に展開してきましたが、購入してくれる個人に直接価値を提供することのできる他の仕事にも当てはまっていくでしょう。

翻って、これだけ競争の源泉となる「顧客リスト」をなぜ出版社や新聞社、テレビ局などのマスコミは持ってこなかったのでしょうか?


結局、昔から言われているように、商売の基本は「リピート客・有料顧客リストを持っているかどうか」です。これは変わっていません。そうなってくると、以下のように各ポジションでリストを獲得しようと頑張っている姿が見えてきますよね。

新聞社:販売店が各エリアのリスト保持+ニュースアプリなどの配信にも注力
出版社:電子書籍アプリ配信、雑誌媒体は通販でのリスト収集、ウェブ媒体
ラジオ:ポッドキャスト活用に注力
※あくまで個人の印象ですが。。。
J-WAVEがISPに2006年に参入したのも、顧客リストを持つための苦肉の策だったのかもしれませんね。

今まで力を持っていたマスコミが頑張ってやっていることも、個人が自分のリスト(ファン)を構築していくこともネットでは同じ土俵で戦っているというわけですよね。




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